9月定例会は、ふるさと創成の会の会員でもある師岡知弘氏にお話しいただきます。
平成29年の九州北部豪雨で、朝倉市の山間部にあたる黒川地区は、最大829ml/24hという深刻な豪雨被害を受けた地域です。令和5年8月に設立された一般社団法人くろがわは、地域全体で農地を守る一般社団法人としては、県内で他に類を見ません。
報告者の師岡知弘氏は、生まれ故郷である朝倉に、2015年にUターンしました。そこで自然と共生する生き方を探っています。被災地としていまだに復旧が終わらない黒川地区とご自身の活動についてお話を伺います。
開催概要
日時
2024年9月24日(火)18:30~20:30
場所
あすみん(福岡市中央区今泉1-1-22 西鉄天神クラス4F)
※Zoom併用
講師
未来環境オフィス合同会社 師岡知弘氏
参加費
会員:500円
非会員1,000円
Zoom視聴:無料
お申し込み
案内チラシ
開催結果
参加人数
20人
講演概要
黒川地区は朝倉市の一部で、面積の約1/5を占める小さな地域です。人口は187人と高齢化率が62%と非常に高く、担い手不足が深刻な状況にあります。2016年の災害により、農地の約7割が被災し、復旧に時間がかかっているのが現状です。また、高齢化が進む中で、農業の担い手不足や、農地の管理が困難になってきているという課題に直面しています。
災害後、地域住民は「未来会議」を立ち上げ、地域の復興に向けた検討を重ねてきました。その中で、農業の担い手確保や、地域資源の活用など、様々な提案が出されました。特に、「高木穂多留」という直販部隊の立ち上げや、地域ブランドの検討など、具体的な取り組みも行われてきました。また、2018年には「未来ビジョン」を策定し、10年後の地域の姿を描いています。
2022年8月、地域住民が中心となって「一般社団法人くろがわ」を設立しました。この法人は、地域まるっと中間管理方式を活用しながら、農地の集約化や共同管理、機械の共同利用などに取り組むことで、効率的な農業経営を目指しています。また、地域資源の商品化や観光開発など、農業以外の事業にも着手しています。現在、会員数は60名が参加しています。
(一社)くろがわの設立により、地域の農業再生に向けた取り組みが進展しつつありますが、人手不足や資金面での課題など、解決すべき課題も多く残されています。そのため、地域外からの人材確保や、行政の支援など、様々な取り組みが必要とされています。今後は、これらの課題に対して、地域住民が一丸となって取り組んでいくことが重要となっています。
出席者の感想
- 師岡さんの強い気持ちに感動しました。
- 朝倉ブランドを構築してほしい。営利事業が必要
- 里山、地域おこしの根本的解決に取り組んでいる。
- これからの意欲が大事だと思わされました。
- 山林農家が抱えている課題と現状を知ることができました。私たちが何ができるのか考えて行動したいと思いました。
- 行動、目標、やらねばならないことが多すぎる。しぼりこんで、そこにエネルギーをつぎ込まないと。福岡市から近いということはとても大きな利点。呼び込もう。おいしい食べ物、子ども向けの自然相手の遊び場。
- 朝倉のパワーを感じた。支援する方法を模索したい。
- 活動の持続的な発展を感じて、講演していただいてよかったです。
- 一般社団法人くろがわのことをもっと知りたいと思いました。HPがあるようなので、それを見て情報を得て、広めてあげたいと思います。
- これからの日本には地方の力が必要だと感じました。地方の産物を残しておくべきだと感じました。
- 朝倉地域でぜひとも実現したいことは何ですか?
- 考えさせられることが多い内容でした。
- ブレない想いがすばらしいと感じました。また、農が日本の伝承、伝統を守ってゆく活動になるんだとつくづく考えさせられました。
- 師岡さんが地元ではない場所で、継続してやり続けていることが素晴らしいと感じました。
ゼロからのスタートで大変だったと思います。